The Nogami Love Lounge

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東京に行けば「何か」あると思って上京した人は、その後どうなってるか

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現在2018年。何十年も前から上京すれば何かが変わるかも、というムードは変わらずあります。ただ東京に出ただけで終わってる人も、昔と変わらず大勢います。

東京組と地方組

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東京に住みたいというだけで無理やり都内の学校を探し、受験してめでたく受かって上京。2年〜4年で学生生活は終わり、特に何も身につけず高校の時より学力も落ち、企業からは「お前じゃいらん」とどこにも引っかからず、地元か他の地方に就職。ここでまず上京してきた人たちの進路が分かれます。

学生の時に上京して、社会人になる時には東京を離れた人からしたら、東京に居たかったな、と思いながら都内にいる友達と連絡を絶やさず、日々羨ましく思いながら生活していることでしょう。休みのたびに高い交通費を使って東京に遊びに行って、帰ったら地方では「私、心は東京の人だから」みたいな顔をしてちょっと違う感を出しているつもりでいます。

こういう人たちは、東京に残った友達が上で地方にいる自分たちは下、みたいな意識があります。でも地方組は認めたくないので、基本的には今は地方にいるだけと思っています。サッカーのカズがフランスワールドカップでメンバーから外れて、日本に戻ってきた時に「魂みたいなものは向こうに置いてきたつもりです」みたいなkとを言っていたように、地方組も魂みたいなものは東京において生きているつもりでいます。

これに対して東京組は、地方組に対して優越感があるので表面上は地方組には優しくしています。でも、東京組には社会人になってからの現実があるので、だんだん地方組がウザくなってきます。社会人になってからの友達もできて、東京組だけのネットワークが出来上がってきますので、地方組と会えば「ずっと友達だよ」的な確認作業をしていますが、だんだん邪魔になってきます。それに、地方組にとって東京は既に過去のものであり、妄想の中のものになりつつあります。非現実なものになっていきます。それに対して東京組にとっては現実そのものなので、地方組とはだんだん意識の差が出てきます。

東京と地方、どっちが幸せ?

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社会人になった後に東京に残った人は勝ち組みなのか、というとそうではありません。社会人になっても相変わらず「ただ東京にいるだけの人」としている人がほとんどです。この「ただ東京にいるだけの人」というのは何をやってるのでしょうか。少ない賃金で従業員として働き、東京の街にある数々の誘惑と罠のようなものにいちいちハマってお金を落とし、それでいて東京は物価が高いなどと言いながら生きています。でも、地方組に対する優越感もあるので東京での生活をやめられません。こうやって「ただ東京にいるだけの人」がたくさん生まれています。

さて、こんな時、地方組の方はどうなっているのでしょうか。東京組に距離を置かれ始めていることに薄々気づきながらも、その程度のことでは関係はやめません。むしろ強化しにかかります。東京に行く理由と、泊まる場所を確保し続けるためです。

実はこうなってきた頃には、東京組もウザいと思っていた地方組の存在を少し見直します。それは地方組の存在が、東京組にとっても東京にい続ける理由になってきているからです。毎年、自分と同じような勘違いした子供が、呼ばれてもいないのに勝手に上京してきて、その中の何割かが東京に残っていきます。 すると「ただ東京にいるだけの人」の数も増えるので、古いのから新しいのに交換されて東京からはじき出されていきます。収入は増えないのに、気がついたらやめられない支出額と見栄ばかりが大きくなっています。でも、東京にいる自分というのは手放したくないので、毎日が消耗戦になっていきます。

こうなってくると東京組はどうなるのでしょうか?地方組に対しての優越感をキープするのも難しくなってき始めて、そのことを地方組に見抜かれていることにも気づいてきます。東京組になった時の現状を維持するのすらやっとになったら、転職するか地元に戻るか。転職は現実的に考えたら難しい。転職して給料が上がるなら、そもそも今の仕事でもっと稼いでいるはず。でも、東京に来れば「何か」変わるはずというところがスタート地点の人間なので、ここでも転職すれば「何か」が変わるはずと思って転職に踏み出します。結果、減収になる確率が高いです。

地方組が逆転するとき

f:id:khzngm:20180813152935j:plain 表參道 | 表参道 / Omotesando | Wei-Te Wong | Flickr

じゃあ、地元に戻るコースを選んだらどうなるか。正直、東京で仕事がないと思ったら地方でもないです。地方の人からしたら東京の方が仕事があると思っているからです。東京にいた人にとっては「東京にいる私像」というのがあります。簡単にいうと、ドラマに出てくるようないかにも作り物の世界のイメージです。東京に住んでいた人にとっては、そのイメージから遠いものはいくら時給が良くてもプライドが邪魔をするのでできません。 上京する前からも、その後何年東京で生活しても、この何処かで誰かに刷り込まれて出来上がった東京のイメージが、一生抜けないのです。ずっとそのイメージに翻弄され続けています。どこかでこの「東京幻想」から離れられたらこうはならなかったはずです。この「東京幻想」は地方組も持っています。東京から離れるほど大きくなるので厄介です。

地方に戻るともう一つ厄介なのが地方組の存在です。付き合いの長い友達とまた同じ土地で暮らすことになって、めでたしめでたしとはならないのです。地元に戻ってきた東京組は「東京幻想」はそのまま持っているので、地方組がそうだったように、やはり東京モン面(づら)をし始めます。しかし、それと同じことを地方組は何年も前からやっているので、東京組のその感じをすぐに見抜きます。そうなると、今まで自分の方が有利だった立場が、いつの間にか地方組に逆転されてしまっているのです。自分の方が東京に長くいたし、みたいな空気を出しても「ただ東京にいただけだろ」というのがバレているため効果がありません。

東京にいけば「何か」があると思って上京した人のほとんどはこうなっています。その後ずっとこれを拗らせて生きていきます。

「東京幻想」から抜けてる人は何が違うか

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かくいう私も、20代前半くらいまでは「東京幻想」を持っていました。しかし、初めて東京の街を一人で歩いたときにガッカリしました。それで一気に東京に対する特別感がなくなりました。それはなぜか?驚くほど普通だったからです。もちろん地方にないものがたくさんありました。人の数もお店の量も種類も桁違いです。しかし、普段見ている自分の住んでいる地方の街の延長、単なる規模の違いだとすぐに気づきました。もし初めて行ったのが10年以上前だったら違ったかもしれません。でも、もうとっくに東京は特別な場所ではなくなっていたのがわかりました。現在、場所で面白いところ、パワーのあるところと言ったら東京でも日本のどこかでもなく、海外です。もう、とっくにそうなっています。

東京だからといって特にオシャレな人もそんなにいないし、見たこともないようなものがあるわけでもない。ただ単に数が違うだけでした。東京はカワイイ子が多いと「東京幻想」を持ってる人ほどいいますが、これも単純に数の問題です。街を歩いていれば、次から次へと他人とすれ違います。当然その中にはカワイイ子もいます。割合自体はそんなに変わらないと思いますが、全体の数が多いのでそう見えるだけで、カワイくない子も大勢います。ただそれだけのことです。東京が面白く特別な街だったのは、90年代半ばくらいまでだったような気がします。20世紀までですね。なので、なぜ今だに「東京幻想」に引っかかる人が大勢いるのかは、なぜなのかわかりません。

罠を仕掛けてカモる街、それが東京

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昔も今も東京を特別な場所に見せて、若い人を「東京幻想」に侵しているのには理由があります。東京は金儲けをするための場所だからです。常に日本中の人が東京を特別な場所と信じて、たとえ住んでいなくても金を落としにわざわざ来てくれます。無理してまで引っ越してくる人、高い交通費と長い時間を費やして来る人。こういう人が絶えないと、東京の価値はずっと下げずにすみます。あとは罠を仕掛けておけば、勝手に引っかかってお金を落としてくれます。こんな場所があるなら、ずっとその価値を保ちたいものです。罠を仕掛ける側が価値を上げなくても、罠にかかる側の人間が勝手に価値を高めてくれます。そして、そのカモも絶えません。幻想を見ていない人間にとって、東京とはそういう場所なのです。   f:id:khzngm:20180813154149j:plain